カネコアヤノ 日本武道館ワンマンショー 単独演奏 メモ
まだ明るいステージにアコギを抱えた1人が向かってきた瞬間震えてしまう。一昨年末とも違い、バンドメンバーもおらず、これからたった1人でライブ1つ、ギター1本で立ち向かうということについて。広い、高い日本武道館に並んだ沢山の目が、たった1人だけをまっすぐ見つめていた。明かりが消える。ギミックもないステージ、きれいに吊るされたシンプルな照明だけが揺れている。
MCもなく歌が続く。入りを間違えた瞬間が一度あったが、例えばそこでなんの一言を挟むこともなく、歌とギターだけで向かっていく。歌われている歌詞の幾つもを反芻する。間もなくひたすらに曲だけが歌だけが続いていく。彼女は安易な理解を拒む。彼女の視線と観客の視線は向かい合って対立している。叫ぶ声を聴きながら、まるで格闘技の試合みたいだな、と思う。
こんなにも向かい合っていたその空間について。例えばアイドルのライブや、フェスとかでアーティストが観客にマイクを向けて、みんなで歌うそれなんかとかは、反対のものに思えた。なのに、それなのに、どうして最後に歌うそれも、どうして間違いなくかげりなく僕らのものだと思っていられるのだろう。
「あの子」について歌われた「わたし」の歌が「わたしたち」の歌だとどうしようも確信してしまうことについて。カネコアヤノ日本武道館ワンマンショー 単独演奏。
わたしでいるために
心の隅の話をしよう
変わりたい 変わらない
変わりたい 代わりがいない
わたしたち
わたしたち
- 週明け
- Home Alone
- ごあいさつ
- 明け方
- 星占いと朝
- 予感
- 春
- 朝になって夢からさめて
- 燦々
- きみをしりたい
- 閃きは彼方
- 祝日
- ゆくえ
- わかりやすい愛、丈夫なからだ
- タオルケットは穏やかな
- 恋しい日々
- とがる
- やさしい生活
- グレープフルーツ
- 愛のままを
- わたしたちへ