べんきょうしよう

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【音楽】スーパーカー『YUMEGIWA LAST BOY』

ピンポンの再放送を観ている。放送当時も、普段あまりアニメを見ない私が、毎週楽しみにして観ていた作品の一つだ。録画が1話失敗していたのでDVDに保存できておらず、再放送を録画しているが、結局観てしまっている。単純にアニメとしてのクオリティが素晴らしいのだが、原作である漫画へのリスペクト、そして映画版へのオマージュが随所にあるのがいい。アニメ、漫画、映画全部名作な作品も珍しい。

スタッフにも、オマージュのようなものがみられる。音楽の牛尾憲輔氏はLAMAのメンバーで、LAMAは映画版主題歌を歌ったスーパーカーのメンバーを中心に結成されている。そして、エンディングのメレンゲ「僕らについて」もその主題歌「YUMEGIWA LAST BOY」にオマージュを込めた一曲である。間奏のリフレインが素晴らしい。

 


Ping Pong The Animation Ending Full - Bokura Ni Tsuite

 

赤い陽が僕を睨む様

あくびしたら滲んだ世界

望みはメトロノームのよう

全てだけが終わり告げる

 

 

 

 

スーパーカーを聴いたのは15歳のときだ。そのバンドの最初の印象はあんまりよくなくて、初めて「Lucky」を聴いて、この退屈な曲はなんだ!と思った。そして、このバンドを好きになることはないだろう、と思った。

 


SUPERCAR - Lucky

 

 

それなのに、何故か私は「Lucky」が入っていた『16/50』を借りた。きっと、CDショップがセールかなんかをやっていたのだろう。退屈な曲ばかりたっぷり詰め込まれていた。「ああ、やっぱりな」とか思った。思ったんだけど私は、そのアルバムを何度も再生した。そのアルバムがベスト盤だと知ったのは少しあとになってからのことだった。オリジナルアルバムも聞こうと思って、『スリーアウトチェンジ』を借りた。これまた退屈な曲ばかりびっしり詰め込まれていた。

『スリーアウトチェンジ』の評価を見ると、「初期の傑作!」みたいに書かれている。なるほど、確かに演奏もうまくなくて、若々しい。スーパーカーはどうやら、「初期」「中期」「後期」に分かれていて、それぞれで音楽性がだいぶ異なっているらしい。

私は先にベスト盤を借りていたので、「Lucky」「Hello」あたりが初期で、「Sunday People」あたりが中期、「Be」とかが後期か、と推測した。丁寧なことに発表順に収録されているベスト盤だった。そのベスト盤が初期の曲だけを集めたベストだってことは、後から知った。

 

 


Hello スーパーカー

 


スーパーカー - Sunday People

 

www.youtube.com

 

 

 

17歳のとき、演劇を辞めた。辞めた理由は簡単で、よくある人間関係のあれこれとか、方向性の違いとか言うような、あれだ。辞めた時は案外すんなりしていた。その時はバンドを組んでいたので、これでバンドのほうに集中できるなんて気楽なことを思っていた。私は、相変わらずスーパーカーを聴いていた。もう「Futurama」も「HIVISION」も「ANSWER」も揃っていて、後期はエレクトロ路線に進んだ、って言うことの意味も理解した。音楽は初期ギターロックのそれよりもっと退屈で、つまらなかったから、私は何度も再生した。初期の頃のみずみずしさはなくて、歌詞は観念的で、念仏のように繰り返されていたりした。

 


Yumegiwa Last Boy - Supercar (スーパーカー) PV

 

夢際のラストボーイ

永遠なる無限

夢際のラストボーイ

触れていたい夢幻

 

高校生の時に聴いていた音楽を、人は一生聴くと言う。そんな話を聞いたとき私は「いやいや、そんなことはないだろう」と思った。私は常に新しい音楽に飢えていて、新譜をチェックし、旧い音楽をディグり、音楽雑誌を集めた。iTunesの曲数は増えていったが、取り込み終わるたびにまだまだ知らない音楽で溢れている気がして、ひたすらに次聴く音楽を探していた。今もその気持ちはなくなったわけではないけれど、勢いはなくなった。流れているCMもやっているテレビ番組もロッキンオンも変わったのに、私は相変わらずスーパーカーを聴いている。

そして、この年になってもまだ、ずっと、退屈している。うまくなったのは退屈をごまかすために楽しいことを見つけることくらいで、それは意外と上手く行っているのだけれど、それは退屈から逃げているだけのようにも感じる。バンドはすぐに辞めてしまったけれど、演劇の方とはくっついたり、離れたりの曖昧な関係を続けている。正直、こんなことは考えていなかった。諦めるか飽きるか、愛想尽きるか覚悟を決めるか、そんな感じだと思っていたけれど、どうやら気持ちを決めるのに年齢とかはあんまり関係ないらしい。部屋の本棚に並んでいるものは増えたし、色々うまくやっていくすべは見つけたのだけれど、気持ちだけ、『YUMEGIWA LAST BOY』のように、同じ部分をひたすらリフレインしている。

 

 

 

 

 

夢際のラストボーイ

永遠なる無限

夢際のラストボーイ

触れていたい夢幻

 

 

 

 

 

16/50 1997-1999

16/50 1997-1999

 

 

スリーアウトチェンジ

スリーアウトチェンジ

 

 

HIGHVISION

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